高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

これほどまでに実用的で胸に迫る人生論があっただろうか 堀江貴文 「人生論」

ことの始まりは堀江貴文氏が6歳の時だった。
彼は、学校から帰る途中に突然「人間って死ぬんだな・・・僕もいつか死んじゃうんだ」という恐怖に襲われた。それからというもの定期的に「死」の恐怖に襲われることになった。どうしたらこの苦しみから逃れられるのだろうか?その答えが見つかったのは会社を立ち上げて忙しく働いているときだった。インターネットの仕事をしているときは、あまりに忙しくて死のことを考える暇すら無くて、発作に襲われなかった。「ああそうか、死の恐怖から逃れるには忙しくしていればいいのだ」と気づいたのだった。

それからというもの彼の人生は、まるでジェットコースターのようである。
インターネット企業を上場させる
経営難に陥っていた球団の買収を申しでる
ニッポン放送株を取得してフジテレビを買収しようとする
選挙に出馬する

なぜ彼はこんなにも、スリリングな行動を起こし続けたのか?
それはひとえに死の恐怖から逃れるためだったのだ・・・

そして、検察による証券取引法違反の容疑による逮捕
それに対して彼はまったく予期していない出来事だったと語っている。しかし今では「人生は諸行無常だ。時には滝もあるだろうし、穏やかな流れもあるだろう」と達観している。

数十ページ読んだだけでも、彼に対するイメージはがらりと変わってしまった。
「優秀なビジネスのアイデアマン」としてのイメージは持っていたが、ここまで深い思索に入っていたとは知らなかった。

そして本の中盤から後半までは、堀江氏らしい様々な考えを表現してくれている。
「テレビの広告収入はネットに抜かれて壊滅状態になる」
「睡眠時間をしっかり取るよことによって、逆に限られた時間を有効に使える」
「紙の手紙はもはや伝統文化」
「本はメルマガや電子書籍にものすごい勢いで移行していくだろう」
「結婚しない生き方」
「情報収集は砂金採りのようなもの」
「農業は実は成長産業」
「不得意な科目で勝つための戦略」
「工夫次第でいくらでも仕事は楽しくなる」

等々アイデア満載である。
これだけ濃密なアイデアの数々を一冊に収めてくれたのは本当にありがたい。

まるで小説のように感動させて、そしてどんな自己啓発本よりも実用性があるのがこの本だ。ぜひ皆さんも堀江氏への偏見を抜きに読んでもらいたい。

「人生論」 (ロング新書)

「人生論」 (ロング新書)