真鍋 昌平 「闇金ウシジマくん 10〜12巻 サラリーマンくん」
読んでいると自分も、鬱になってくる、けれど読むのをやめられないそんな漫画「闇金ウシジマくん」・・・(;・∀・)
今回、医療業界の営業をしている、サラリーマンが主人公。いやあ、いわゆるMRと言われる職種ってこんなにシビアな業種なんだとは知らなかったなあ・・入らなくてよかったですわ、ほんと。
今回の主人公は典型的なサラリーマンの小堀
彼は日々、会社でノルマに追われ、上司にネチネチと嫌味を言われて仕事をしている。家に帰れば奥さんと、二人の子供がいる。奥さんや子供たちもいろいろと言ってきて、彼は結構精神的に参ってくる
誰もいないところに行って、車の中で発狂するシーンなんかは本当に胸に迫るものがあるなあ・・・
でも、そのあと自分に、自己啓発本の言葉で、自分を律している姿は、本当に見ているだけで、哀愁がかんじられる・・・
もう一人の主人公が板橋
彼は、仕事ができなくて、会社内ニートな状況。そして彼も例によって例のごとく、上司に嫌味を言われる。彼は会社員生活に完全に嫌気がさす。
彼は、ストレスを発散するためにギャンブルに走り、それがもとで、金がなくなり、同じ会社の同期で友人である小堀に、何回もお金を借り、さらには、小堀の家に上がった時に、クレジットカードを盗み、お金を使い込む。それでもお金が足りなくなり、とうとう闇金に手を出してしまうのだった・・・
やがて、どうにも返済できなくなった彼は、取次ぎ詐欺をするようにそそのかされる
しかし、すでに医療業界の社員を辞めてしまった彼は、その取次ぎ詐欺ができない。そこで借金をするときに、保証人になってもらった、小堀に、協力するように強制される。もし小堀が協力して借金を返済できなければ、オホーツク海の過酷な肉体労働の現場で返済しなければならない運命が待っている。
板橋は小堀に相談があると呼び出しをする。板橋は、小堀のクレジットカードを盗んだことも知っている、そんな自分のためには来てくれはしないだろうと思う。しかし小堀は来てくれたのだった!板橋は、その心遣いだけで満足する
板橋と小堀は、お互い昔の思い出話をする。このシーンもなんとも切ない・・・
取次ぎ詐欺の話はせずに別れます。
ウシジマに「オホーツク海行きだが、それでもいいのか」と言われるが、それに対する板橋の返答は「これ以上自分を嫌いになりたくない」だったの(´;ω;`)
そして彼は連れて行かれる。その後どうなったかは描かれてはいない。
一方、小堀のほうは奥さんとの関係も取戻し、サラリーマンは粛々と仕事をしていけばいいと悟り、一応のハッピーエンドを迎える
この漫画は、決して明るい気分になるものではないが、人間描写がきわめて上手だ。暗い内容なのに読んでいて、すごく引き込まれる(´ω`)
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