pha氏の「ニートの歩き方」を読んで
この本は、普通に学校に行き、普通に就職して、その会社にずっと勤め続けるべきという、日本の既存の古い価値観にはっきりと疑問を呈した名著だ。
pha氏の価値観は一貫していてブレテいない
とにかく「だるい」「働きたくない」「ずっと寝ていたい」という価値観の持ち主だ。
そしてそれらを実現するためにはどうすればいいのか?
その知恵が集められたのがこの一冊だ。
具体的な方法としては、とにかくインターネットを活用することが挙げらていた。
インターネットによって
ブログや簡単なウェブサービスに広告を貼ることによって収入を得る。
ツイッターで「〇〇が欲しいです」とつぶやくことによって物を得られた。
(自転車の場合なんと5人もくれると申し出てくれたのだ。一台だけもらって他はお礼を言って断った)
「お金に困っています」というと小額だが現金をカンパしてくれる人は結構いる
amazonの「欲しいものリスト」を公開してそこから品物を送ってもらったりしている。
(五年間で合計40万円分は支援された)
等の恩恵を受けることができた。これは、インターネットによって「ゆるいつながり」の人間関係の摩擦係数が劇的に下がったからだと説明している。
これらの恩恵のおかげで日々の生計を立てることができた。どう?なんだから自分にもできそうな気がしてきたでしょ?え?できそうな気がしないって?それはやってみないと分からない。
また「ニートの才能」として上記のネット生計を立てる能力だけではなく「お金をかけずに暇をつぶす能力」を挙げている。
インターネットや本やゲームがニート向けの暇つぶしである。
旅行に行ったり買い物が好きだったりギャンブルが好きだったりすると向いていない
特にインターネットは無料の優れたコンテンツがありふれているpha氏はウィキペディア、ユーチューブ、ニコニコ動画、ブログ等で、気が付いたら何時間も暇を潰していたということがあるそうだ。
また創作系も金がかからなくて良い暇つぶしになる。例えばパソコンで適当にプログラミングを作ったり、絵を書いてネットにアップロードしたり、音楽を作ったりだ。
最後にpha氏の哲学が語られている
ずばり「自己責任論はおかしくないか?」である
それに対して自己責任か社会の責任かはだいたい半分半分で、全部自己責任でもないし、全部社会のせいでもないというものだった。僕もこれくらいの考えが一番バランスが良い
と思う。日本で自殺してしまうタイプは、なにもかも全部を自己責任だと思いこんでしまう人ではないのだろうか?
そして次に「人間は働かなくて生きていてもいい」と言っている。
働くだけが社会貢献じゃないし、働かない人だって何らかの役に立っているし、いやむしろ「役に立たない」ことを許容する社会の方が進歩的で住みやすいのではないか?と我々に対してぎくりとするような鋭い指摘をしている
最後のこの本の一番の名言でこの記事を締めくくりたいと思っている
「みんな生まれたときはニートだった」
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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