高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

福本 伸行 銀と金 神威編

この漫画の主人公である森田はある仕事ををする。それは病院で「監禁状態である老人を救出する」というものだ。この老人は圧倒的な財力を持つ神威家の長、神威秀峰。無事病院から救出を成功した後、秀峰は自分を監禁していた、息子たちを建設前のホテルに呼び、説教をっする。そして「お前らにはまだ、神威家の長の権利をつぐチャンスはあるぞ」とそそのかす。
しかし息子たち3人はそれに対しては「神威家の家長権などいらない」と一蹴する。「父親のあなたに、優秀な神威家の家長権の後継ぎを期待され厳しく育てられ、兄弟同士お互いを競争させられ、またともな育てられなかった」と激しく怒りをぶつける。そして拳銃をつきつけ秀峰を自殺見せかけるように、殺害しようとする・・・・しかしそれを森田を阻止して、ホテルの逃げる。しかしホテル全体の電源を切られ、エレベーターが使えなくなる。そこで真っ暗なホテルの仲をお互いが、追いかけ回る。ここの描写が、なんとも血なまぐさくて作者の高い表現力をうかがわせる。

そしてその争いの中に「侵入者」が侵入してくるのだ。それが秀峰に「劣っている」として差別されて育てられてきた、四男と五男だった。しかしこの二人とも、この秀峰を殺害をしようとする計画も失敗して、逆に秀峰に返り討ちにあい、そして死んでしまう・・・。死ぬ前に森田は「なぜこんな馬鹿な事をしようとしたんだ・・・いくら差別されたって、もっと他にやりようがあっただろうと・・・」と諭す。しかしそれに対して五男は「差別されたんだ」とだけ答える・・・。それに対して森田は「だからそれが馬鹿だっていうんだよ・・・」と言うが、それでももう一度帰ってきた答えは「差別されたんだ」の一言だけけだった・・・。実際に本人の立場になってみないとこの五男の気持ちは分からないのかかもしれない・・・

銀と金 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

銀と金 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)