高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

週刊少年マガジンの2013年12号に掲載された、今話題の「聲の形」についての徹底解説と感想

つい最近ある漫画作品が話題になっている。
それが週刊少年マガジンの2013年12号に掲載された「聲の形」である。

まずこの作者である大今良時氏は、大ヒットしたSF小説「マルデゥックスクランブル」の漫画化をして一躍有名になった人である。
だが実は彼女は、「マルデゥックスクランブル」の前に、この「聲の形」を完成させていたのである。
しかしその作品内容から、編集部内で賛否両論が起こり、すぐには掲載されず、ようやく今になって日の目を浴びることになった。


ではこれからこの作品の内容と感想を語って生きたい
ネタバレするのでまだ読んでいない方は以下の文を読まず、ぜひこの作品を実際に読んでほしい
すでにお読みの方は、このうち震えるような感動を一緒に共有しようではないか


↓↓↓

ある日小学校に女の子が転校してきた。
しかし普通の女の子とは「ちょっとだけ」違うところがあった。
そうほんのちょっとだけ・・・
それは耳が聞こえないことだった。

自己紹介するときにそのことを知ったクラスのみんなの反応は「戸惑い」だった。

彼女は授業や合唱祭で、周りの子達と徐々にすれ違うようになる



そしてそれが彼女に対するいじめの原因になってしまう。
僕はいつもこういう話を聞いて、人間の狭い考えの醜さ愚かさ恐ろしさを感じる

特にクラスの石田という少年が彼女をしつこくいじめる

そしていよいよこのいじめが、学校で問題になる

クラスの皆がいじめの責任を石田に押し付ける

そして今度は石田がいじめられる側の立場になる

だが石田はそれでもなかなかへこたれない

ある日、彼女が落書きされた机を掃除している姿を見かける。
その時は、彼女が自分の机が落書きをされていてそれを掃除していたと、石田は思った
しかし事実は違った。
彼女は、毎日落書きされていていた「石田の」机を掃除していたのだ。

その事実を知り彼は涙する。
しかしそのことを知ったのは彼女が転向した後だった

          5年後

石田と彼女は再会する

今度はあの時とは違う。
石田は手話を覚えていた。

お互いの意思が想いが心が通じあう



そう五年前の彼女とも・・・

この作品はいじめと障害という二つの大きな問題を問うている。
しかし決して説教くさくないのは、作者の画風や物語の運び方のうまさによるものだろう。
そう、自然に問いかけてくるのだ。

そしてその問いに対してこの作品ある種の「答え」を出している
それはいじめも障害に対する差別も、人間の偏狭な視野による相互不理解によるもので、お互いの気持ちさえ通じ合えれば、意外と簡単に解決できるかもしれないということではないだろうか?

この作品によって世の中に対する希望が少しわいてきた