高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

 時をかける少女 筒井康隆

巨匠 筒井康隆の、古典と呼んでもいいくらい超有名なタイムトラベルもののSF小説。何度も映像化、アニメ化されているので、見たこと読んだことはないけれども、そのタイトルだけは知っているという人も多いことだろう

ブラックでユーモラスで乾いた表現が大得意の筒井康隆が、純真青春SF小説を書いたものだ

ページ数は100ページ余りと、中編小説であることを知って驚いた。
でも短くてもストーリーの中核部分は損なわれていない。
短いからこそ、普段小説を読まない人にもお勧めできる。

昭和51年刊行というが今読んでも失われていない、透明感、清涼感、爽快感

芳山和子と深町一夫とのやり取りは本当に切ない。
深町一夫は本名はケン・ソゴルといい、未来からやってきた人間だ。
しかし彼は未来に帰ることにする。そしてそのために周囲の人間の彼に関する記憶は全部消していかなければならない。最初からいなかったことにするのだ。
それを、いやよと断る芳山和子

ああ、これがホロ苦き青春というものなのか

甘くてちょっぴり苦くて切ない思いをしたい人にお勧めです

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)