高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

タイムリープ あしたはきのう  高畑京一郎

あたたかく、やわらかい感触。
それを唇に感じ、翔香は目を開いた。

こんな2行の文章で始まる。表紙や挿絵などの画風を見ても、すぐにこれはライトノベルだとわかる。しかしこの作品はライトノベルではあるが、内容は薄っぺらくなく、綿密に作り上げられた時間設定である。ライトノベルなのにライトじゃない。でもスラスラと読めて読み終わった後には爽やかな清涼感が残る。そんな作品だ。

本作品は、SF+学園+恋愛であって、ライトノベル一直線な感じである。ライトノベルが好きな人はもちろん、そうでない人も、さらには活字嫌いな人にも十分に楽しめる作品だろう。

主人公は、女子高生の鹿島翔香。そしてその相手役になるのが秀才タイプの若松和彦。
2人のキャラが本当に良く立っている。翔香はいかにも理想的な女子高生という感じで、清楚で明るく可愛らしい。一方和彦の方は、頭が良くクールで皮肉っぽいがどこか憎めない。
この二人の組み合わせは本当に良くできていて、やりとりを見ていると微笑ましい。

すぐに予想がつくと思うけど、最初の2行が最後の方への伏線になっている。
わかってはいたけど、やはり読んでいてニヤニヤ(・∀・)としてしまう

まあ、とにかく爽やかで素晴らしい作品なので読んでみてください。