高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

未来の二つの顔 J.P.ホーガン

ハードSFの巨匠のJ.P.ホーガンが書いた、コンピューター反乱物である。

SFの作品でコンピューターが反乱するというのはごくごくありふれた話である。
そうして怒った戦いでは、人間側が勝利することもあれば、コンピューター側が勝利することもあり、さらには両方が滅びてしまうというものもある。
しかしこの作品の結末はどれでもなく、ハッピーエンドであるのが見事だ

またコンピューターがなぜ人間に対して反乱を起こすのかという理由が、どの作品もはっきりとしないことが多かったが、この作品は実に納得のいくものであった。
人間とコンピューターとのやりとり、戦いは、目を離せないほど引き込まれる内容だ。

自分で学習していく高度な知能をもった、コンピューターが支配した環境では一体どんな事態が起こっていくのか?それを実験するために、完全に地球から隔離された宇宙ステーションを使うというのは発想が壮大でおもしろかった。ここら辺の描写も、緻密で並大抵の知性では描けないと思った

コンピューター反乱物ではこれがベスト!

未来の二つの顔 (創元SF文庫)

未来の二つの顔 (創元SF文庫)

未来の二つの顔 (講談社漫画文庫)

未来の二つの顔 (講談社漫画文庫)