高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

あなたも創作しませんか? 「メイカーズ」 クリスアンダーソン

人は誰しもが生まれながらにしてデザイナーなのではないだろうか?
あなたが幼かった頃を思い出して欲しい。
縦横無尽にクレヨンで絵を書いたり、砂場で山を作ったり、積み木で建物を作った記憶があるでしょう。子供を見ていると、全員が芸術家に見える。

しかし小学校に入学すると、芸術的な授業科目は隅に追いやられ、国数英理社といった「普通」の授業が中心となる。将来芸術家になるためではなく、凡百の労働者になるための教育を受けることになる。
言いすぎただろう?確かに言いすぎかもしれないが、そうでないかもしれない。

本題に入ろう。
モノを作るということは、本来はとてもクリエイティヴな行為である。
しかし産業革命移行では、工場での生産はライン方式が主流となり、そこで働く人々は単純作業を強いられた。
またそうして作り出された製品は、消費者のニーズを隅々まで汲み取っているとは言い難く、大衆に受け入れられるものばかりが生産されることになってしまった。
「どんな色でもお受けします。ただし黒ならば」というフォードの言葉が象徴的だ

しかも昨今のニュースでは国内の製造業の不振のニュースばかりが流れている。
こういう状況では日本の製造業に未来はないと思うのも当然だろう

しかし上記の状況が、この「新産業革命」によって変わろうとしているのだ。

変化の理由となった要因をあげてみよう

 3DプリンターやレーザーカッターやCNC装置など高性能の工作機械が出現し、以前ほど大量で多額の費用がかかる設備がいらなくなった。そしてそれ以上に人手がいらなくなった。つまり費用に占める人件費の割合が減ったのだ。これは中国等の人件費の安い国対抗する強力な武器になる。

 新しい資金調達方法が生み出された「クラウドファンディング」である。以前は銀行家から借り入れるか、ベンチャーキャピタルから投資を募るしかなかったがどちらにもリスクがあった。それに対してクラウドファンディングは、ネット上でプロジェクトの説明をして、寄付を募り、寄付金額が最低調達目標に達すれば、そのプロジェクトが実行され、製品が製造される。そして多くの場合、その時に作られた製品を、寄付者にプレゼントするという仕組みだ。これはかなり合理的な資金調達方法だ。
 
 インターネットの普及によって「製品開発とマーケティングが一体化」した。
 製品開発の進捗状況をネット頻繁に報告することによって(製造過程をオープンにしてしまうのだ!)消費者から「いやここはこうしたほうがいい」というピンポイントな意見が届けられるようになった。製造側もその意見をいち早くとり入れ、造り直す。そうして、より消費者のニーズに応えられる製品が作られる可能性が増す。こんなことは以前の製造業では考えられなかったことだ

まとめると、新た資金調達方法で、最新の設備を揃えて、顧客のニッチな要望をがっちりとつかめば、人件費の高い日本やアメリカでも製造業を成り立たせていくことができるというわけだ。

今までの製造業に対するマイナスイメージが一新される良書。もしかしたら、あなたもこの本に影響されて「メイカーズ」になるかもしれない。ぜひオススメの本です

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

おまけ。最新の工作機械本当にすごい!↓

3Dプリンター

レーザーカッター

CNCルーター