高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

二ノ宮 知子   天才ファミリー・カンパニー―スペシャル版 全6巻

のだめカンタービレで知られる、二ノ宮知子の作品
95年ごろの日本が舞台だ。

最初から最後まで計算され尽くした、緻密なストーリー。
恋愛あり、推理ありギャグもあり。様々な伏線が後半に怒涛のつながり、展開を見させてくれる。

主人公の勝幸は高校生で天才だが、性格は最悪で、お金と経済のことしか興味がない情緒欠落者だった(←過去形なのがミソ)

しかし、そんな天才である勝幸の思考を遥かに越える人々(母親の再婚相手である田中荘介とその息子である田中春がその代表格)と出会う

そんな出会いの中、戸惑い葛藤しながらも、勝幸は徐々に影響されていく。その過程の中で、勝幸が徐々に人間性を得ていく姿には感動した・・( ;∀;)

一方、クラスメートで、絵が趣味の永沢京子とは何回も接近したり険悪なムードとなる。

でも、お互い交流を深め、心を通わせるうちにお互いは惹かれあい結ばれる(*´∀`)

2巻の夏休みに入ってからストーリーは一気に加速していく。本屋のバイトを始めたら、そのビルのオーナーが永沢京子の父親だったり、さらにそのビルのテナントが入らなくなり倒産しそうになり、それを勝幸をなんとか防ごうとしたり、ここらへんのストーリ展開は流石は二ノ宮知子と言ったところだ。

物語の終盤、始めは嫌っていた、田中春が重体になった時に勝幸は涙を見せる・・・。春の父親である荘介に諭されて、以前の自分だったら人のために涙を流さなかっただろうという、自分自身の変化に気が付くのだった。

物語の終盤のこの展開・・・本当に号泣ものだあ!(゚´Д`゚)゚。

読んだら絶対止められなくなる、二ノ宮知子の名作です!