高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

冬目 景 「ZERO」

救いのない終わり方と言ってしまえばそれまでです。でも最後のシーンは切なく感動しました。冬目景はこういう切ない作風がよく似合います。「羊のうた」でもそうです、間尾みたいな切ない女性を描くのが本当にうまいです。

最初の方は、ほのぼの青春ストーリかと思いました。釘町と坂爪は同じ生徒会同士で仲良くほのぼのとやっている感じでした。ある日学校の帰り道で釘町は、帰り道で間尾洋子と出会って、ゲーセンで遊びそのあと彼女のアポートも少し訪れます。洋子は前にいた学校で問題を起こしたという噂の生徒でした。でも釘町はそんな洋子に偏見なく接したので、二人は仲良くなります。

しかし高校の不良連中は洋子と接近して、洋子を利用します。洋子は拳銃の取引に利用されそこを現行犯で捕まえられでしまいます。彼女は退学処分となってしました。彼女はそのごどこかに去ってしましました。
そのはずだったのですが、彼女は学校に戻ってきたのです。復讐をしに・・・

間尾が同級生にはめられて、復讐を誓ったあたりから作品の雰囲気が変わっていきます。ただ中盤の、学校に閉じ込められて、釘町と坂爪が逃げ回るシーンはやや中だるみ気味でした。

終盤の方で、釘街はやっと逃げ道を見つけることが出来ました。早く逃げようと言う坂爪に対して彼は、洋子に会いに行くと言います。そして坂爪と洋子は対面することになります。そこでのやりとりは何とも言えないですね。ただただ切ない・・・。

明るい話ではないですが冬目景の作風が好きな人にはお勧めな作品ですよ。

Zero (バーズコミックス)

Zero (バーズコミックス)