高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

電子書籍について

出版不況と言われて久しいです。97年から、出版物の売り上げが、今まで落ちる一方でした。なぜこんなことになったのでしょうか?若者の活字離れが進んでいるからでしょうか?それは違います。「インターネット」という極めて便利な、そして何よりも「無料」の情報伝達手段が、広まってきたからだとお思います。

書籍は今インターネットという相手と同じ土俵で戦っているということを意識することを忘れてはなりません。しかもネットという相手は「タダ」という極めて強力な
武器と鎧によって武装されているのです。

ネットという強力な相手と戦い続けるのが正しいのでしょうか?いえこれからはネットと「融合」していくのが書籍の唯一の生きる道だと思います。そうしてできたのが、電子書籍です。

ところで現在、電子書籍を買っているユーザーの正直な感想は「規格を統一してほしい」「品揃えが悪い」「なぜ紙の本よりも値段が安くないのか」などではないでしょうか

出版社にはいろいろながしがらみや、「既得権益」が存在して。電子書籍に難色を示しているところが少なくありません。
消費者からすると、出版社の電子書籍化への動きは遅く、もどかしく感じているでしょう。

また出版関係の人の中にも、「紙の本を電子書籍化するのは出版業界の破壊だ」と言う人がいますがそれは違うと思います。正しくは「再生」だと思います

電子書籍には、大きな可能性を含んでいます。紙を使わないことや書店を通さないことで、安く本を売れるようになる。

紙の本と違って、欲しいと思った時にすぐに手に入れられる。何千冊も収容できて、本がかさ張らない

また自費出版へのハードルのものすごく低くなります。素人だった人の出版もこれからはものすごく増えるでしょう

去年の12月20日に、本を裁断してスキャンして電子化する業者を、作家たちが提訴しましたが、これは勘違いも甚だしく、時代に逆行する行為でしょう

紙の書籍が電子書籍に生まれ変わることを恐れるべきではありません。書籍という「遺伝子」は色々な媒体を通じて、生きてきました。石版、粘土板、 羊皮紙、パピルス、そして今回電子に生まれ変わろうとしているのです。

いずれにせよ電子書籍化への動きは止められないでしょう。もはや電子書籍化が広まるか、広まらないかの問題ではなく、「いつ」みんなに行き渡るかの問題であります。電子書籍がみんなに行き渡るのは、もう時間の問題だと思っています。