高田修三の空想科学雑談

高田修三が、幾分か科学的に、好き勝手空想する。

ブルーカラーにはスキルアップやキャリアアップという概念はあてはまらない?

最近は本屋に行けば、自己啓発本や仕事術を扱った本が山ほどある。
しかしそれらの本を少し読めばわかるが、対象者はデスクワークをする人、つまりホワイトカラー向けの本ばかりである。

どうやったら営業で客の心をつかむことができるのかとか、エクセルワードの効率的な使い方とか、エバーノートで仕事を整理するとか、そういった類のものばかりである。どうすれば上手く溶接ができるようになるのか、といった本など見たこともない。

ブルーカラーの仕事は単純作業ばかりだから、わざわざ本で仕事の仕方を取り上げる必要がないとでもいうのだろうか?
まさかブルーカラーはそもそも本を読まないとか思われているのか?

僕は大学を卒業後、製造業会社に就職して、今は工場現場で働いている、バリバリのブルーカラーだ。
ここで働いてみて気づいたのは、ブルーカラーの世界でもスキルアップやキャリアップと言う概念は当てはまると言うことだ。

一例をあげるなら溶接
溶接とは熱を持って材料を接合する技術のことだが、これは今でも人間の手によって行われることが多い。
溶接は上手にやらないとちゃんと接合されないし、単純に外見の良い悪いにも関係する。結構職人的な仕事なのだ。
そしてこの溶接の仕事は簡単に溶接できる物を扱っている溶接者は給料は高くないが、難しいものを扱っている場合は給料は悪くない。
僕の工場では、ほぼ毎回同じ形のものを溶接するライン作業なので、給料は普通の工場労働者+わずかばりの溶接手当がつく程度だ。
しかし配管工だともう少し給料が良いみたいだ。実際うちの工場で溶接のスキルを磨いて、配管工に転職していったブラジル人の社員もいた。
毎回毎回違うものを溶接する、もっと職人的な仕事であればもっと良い給料がもらえるだろう。

他に建設作業員の例もあげよう
最初は、見習いと言われる立場からスタートして、腕を磨けば職人と言われるようになる。さらに自分で仕事を受注できるくらいになれば一人親方という立場になる。僕の先輩で、転職して一人親方になった人がいるが、月収は40万円から70万円だと言っていた。(ただフリーランスなので社会保険などは自分で払わないといけないが)そしてさらに上に行けば、親方という立場になる。こうなれば一国一城の主であり、相当な収入を得られるだろう。

日本では(他の国でもそうか?)ブルーカラーという否定的なイメージが強いかもしれないが、しっかり戦略的に働けばちゃんとした地位や収入を得ることだって可能なのだ
と言うわけで、今日は本屋では扱われないブルーカラースキルアップとキャリアについて語らせてもらった。